創作と子育てを包む人の縁――『顔の見える関係』に根を張る陶芸家の日常
陶芸家の小坂さん夫妻は、創作活動への理解と人の縁に惹かれ、京都の小野郷へ移住しました。リフォームした古民家で、子育てと作陶に励む日々を送っています。日照の短さや雪かきなど自然の厳しさはあるものの、住民同士が顔の見える距離で見守り合う関係性に安心感を抱いています。不便さよりも、季節の移ろいや人との繋がりを大切にする風土を楽しみながら、この地に根を張った豊かな暮らしを築いています。
小野郷の住人さん
Residents of Onogo
小坂さん夫妻の インタビュー
住人さん一言紹介
陶芸家の小坂さん夫妻は、創作活動への理解と人の縁に惹かれ、京都の小野郷へ移住しました。リフォームした古民家で、子育てと作陶に励む日々を送っています。日照の短さや雪かきなど自然の厳しさはあるものの、住民同士が顔の見える距離で見守り合う関係性に安心感を抱いています。不便さよりも、季節の移ろいや人との繋がりを大切にする風土を楽しみながら、この地に根を張った豊かな暮らしを築いています。

小野郷に移り住んで三年ほどになる小坂 大毅さん、むつみさん夫妻。お二人とも陶芸家であり、現在は家族4人で小野郷で暮らしながら、制作活動を続けています。
小野郷で暮らす前、大毅さんは京北町に住んでいました。陶芸家という仕事柄、どうしても煙や音は避けられません。「田舎というか、のんびりしたところで、煙を出したり音を出しても怒られない場所を探していて」そうした条件を満たす場所として京北町の家にたどり着き、そこで10年ほど暮らしました。
ご結婚を機に、それまで富山県に住んでいたむつみさんも京北町の家へ移り、新たな仕事場兼住居を数年にわたり探す日々が始まります。なかなか良いご縁がなく、最終的に出会った家が小野郷でした。「小野郷に住みたいというより、住みたい家を決めたら小野郷だった」と大毅さん。「今住んでいる家は、庭があり山があり、隣には木工作家さんが住んでいて、騒音や煙に対する理解もある環境です」 内覧の段階では「一応行ってみるか、ぐらいの印象」だったそうですが、「中を見せてもらう際に移住促進会の人たちが案内してくれて、自治会の方や前の家主とも話ができたことで『この家を大事にしてきた人たちなんやな』と感じました」
「地域愛が強い人が多い」という印象は、住み始めてからも変わっていません。「集落の入口にある家ということもあり『電気がついていると嬉しい』と言われたことも印象に残っています」そこに暮らしていることが喜ばれる。そうした感覚は、市街地ではなかなか得られないものかもしれません。
現在の小野郷の家は、以前住んでいた京北町の家から車で25分ほどの場所。距離としては近い印象ですが、住まいの環境や暮らしの感覚は大きく変わったと言います。「暮らしやすさという点では、京北の方が便利でしたが、暮らしはこっちの方が楽しいです」とお二人は口を揃えます。「以前住んでいた家がボロボロだったこともあります。台風で何度も屋根を飛ばされたり」
「今の家はリフォームしたので綺麗です。もともとはお風呂もトイレも屋外にあるような古いお家だったんですけど、引っ越す際にキッチンとか水回りも含めて全てリフォームしました。広いし、静かやし、ワンランク暮らしが楽になりました」
小野郷に住んでみて印象的だったのは、日照時間の短さ。午後2時頃には日陰に入り「スーッと一気に気温が下がります」冬の小野郷は雪も降ります。「以前はあまり除雪車が来なくて、雪かきが大変でした。日曜日に子供を連れて外に出たら、町内の人全員が通りで雪かきしていて、お祭りみたいで」と振り返ります。

小坂さん夫妻には、3歳と1歳の2人のお子さんがいます。「家を内覧した時、ちょうど妊娠中で。この先どうなるんだろうって、その時が一番不安でした」とむつみさん。朝は8時頃に起きて、お子さん2人を保育園へ送り、その後は工房で制作活動。夕方にお迎えに行き、食事とお風呂、寝かしつけまでが一日の流れだそう。お互いの制作場所は家の端と端に分かれていて、お昼ご飯の時だけ夫婦2人で顔を合わせるのだとか。 「子どもたちがいない時間でゆっくり喋れるのが、お昼ご飯の時間です」
将来の通学先は京北方面を想定していますが、集落の立地上、通学や送迎は大きなテーマです。現在、小野郷全体で子育て世帯は3世帯。「同じ立場で話せる相手がいる。子育て世帯の仲間がいることは心強いです」
小坂さん夫妻の周囲には、木工作家や建築家、植木職人など、ものづくりに関わる人も多く暮らしています。「やっぱり周りの人の理解があるというか、何してんのや、みたいなことは言われないです」 「例えばこんな土、どこかで見たことないですか?って聞いたら、何かしら反応が返ってくる。安くていい木材をたくさん譲ってもらったこともあります。そのくらいの距離感ですね」人とのやりとりの中で、ものづくりの環境が少しずつ形になっていく。小野郷での暮らしは、そんな関係性の上に成り立っています。

小野郷での暮らしは「1日の流れを強く感じさせられる場所です。季節の移ろいもはっきりしています」とむつみさん。「時間の流れが、すごくはっきりしてるんですよ。1日1日がちゃんとやってくる感じ。そうした感覚は、ものづくりをする人や、自然の変化を楽しみたい人にとっては、大きな魅力になるはずです」
大毅さんは消防団や自治会にも積極的に関わっていて、「顔見知りが増えたのが一番嬉しい」と言います。「道も細いので、災害時には助け合いが前提になります。そんな環境だからこそ、日頃から顔が見える関係を大切にする意識があります」 行事に参加し、顔を合わせる。 そうした積み重ねが、災害時や困ったときの支えにもなります。 子どもと一緒に散歩をしていると声をかけられ、見守ってもらえていると感じる場面も多いそうです。
「『人との関わりを完全に避けたい』という人にはあまり向かないかもしれません」
小野郷について「根っこを伸ばしていきたい場所」と話す小坂さん夫妻。「家族もできましたし、ここで人と関わりながら暮らしていきたいです」
便利さよりも、時間の流れや人との距離感を含めて暮らしを受け取れるかどうか。小野郷は、そんな問いを住む人に投げかけてくる場所です。

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